J.S. Mach Ⅱ 新着記事

2012/01/13

タルカス

ずいぶんひさしぶりにリアルCDというものを購入しました。買ったのは、「タルカス クラシック meets ロック」(こういうカタカナと英文字の妙なまぜこぜ表記はあまり好きじゃないのだけど)。 なんで買ったのか、というと、先日、正月でヒマを持て余していた長男を、平清盛展@江戸東京博物館に連れて行ったのです。これは言うまでもなく今期の大河ドラマの宣伝を兼ねたイベント。それにしてもご高齢の方々に混じって古文書やら掛け軸やらにじっと見入る小学3年生も珍しいといえば珍しいわけで。
それはともかく、そこで流されている大河ドラマのトレイラー・ムービーの中でどこかで聞いたような妙にポップで疾走感のある音楽が、オーケストラの演奏で流れていたのです。その場では思い出せなくて、これが噂に聞く吉松隆氏の手になる大河ドラマの音楽なのか、それにしてもやけにポップな旋律だな、などと思ったのでした。 そうこうしているうちに先日、ツイッター経由で流れてきた吉松氏のブログ記事:大河ドラマ「平清盛」音楽制作メモ : 月刊クラシック音楽探偵事務所を読んで、はたと気づいたのです。そう、それは EL&P の "Tarkus" の吉松氏によるオーケストラ版であったのです。世代的に言えばまさに私の世代に全盛であった、いわゆる「プログレッシブ・ロック」というやつで、もちろん「展覧会の絵」の名演も知っていますが、実を言うとEL&PとかYesとか、それほどたくさん聴いてきたわけじゃなかったんですよね。しかし、なんだか気になったのでiTSでも調べたのですが、iTS Japan では2000円もする(iTS USなら$9.99のようですが)し、せっかくのオーケストラライブ録音ならもうどうせなら盤を買っちゃえ、と。
 ざっと聴いてみましたが、文句なくこれは楽しい。某所の評を見ると「あえてオーケストラで演ずる意味があるの?」みたいなことも書いてありましたが、そんな無理やり意味づけしなくてもいいのではないでしょうかね。ジャズやロックでクラシックを演奏するのはよくありますが、このアルバムのような逆バージョンは少ない。ジャズやロックの演奏家がクラシック楽曲に敬意を表するのはよくあるとしてもクラシックの作曲家・演奏家がジャズやロックに理解を示すというのはたしかに珍しいことなのかもしれません。武満などはエリントンを敬愛し、ビートルズナンバーを編曲していますがそれは例外中の例外。 そんな例外の一つがこのタルカス。某Y野楽器店でも、放送中の大河ドラマ挿入曲であるにも関わらず特にそんな告知もなく、現代曲コーナーの片隅にごくひっそりと一枚だけ棚に置いてあっただけで、それを私が確保してきたという次第で。もちろんダウンロード販売なら売り切れはありませんよ。
ということで宣伝させていただきました。ちなみにEL&P のオリジナルアルバムはこちら。↓